【カープ】広陵・中村のドラフト1位指名を名言 異例の決定が下った理由

まさかの決断だと言えよう。

カープは14日のスカウト会議において、今月26日に行われるドラフト会議で地元広陵高校の中村奨成捕手を1位指名することを決定した。

私は過去に、カープが中村捕手を1位指名することはないと断言した。詳しくは当時の記事に書いているため割愛するが、それを覆す今回の1位指名宣言。それだけ彼の実力や将来性が素晴らしいものであるとの判断なのだろうが、これまでのカープのドラフト戦略や、現在のチーム状況を加味すれば異例の決断であったと言える。

過去の掲載記事

夏の甲子園で本塁打の大会記録を更新した広陵高校の中村奨成選手。 突如現れた地元広島出身のスター候補生である彼をカープは指名するのか。 残念ながらカープに指名されることはありません。

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今回の決定が異例なワケ

高卒野手の1位指名は15年ぶり

高卒野手を1位指名するのは実に15年ぶり、2003年のドラフト会議での白浜裕太捕手にまで遡る。

最近のカープのドラフト戦略は、1位指名は投手と決まっていた。直近10年の獲得選手を振り返っても、その間の1位指名野手は3人、そのうち2人は外れ1位での指名なので、純粋な1位指名は2008年の岩本選手ただ1人なのだ。大学・社会人出身の即戦力となりうる投手を1位で獲得するのがカープの一貫した姿勢であった。

地元出身ともなるとなんと34年ぶり

カープは、なんと34年もの間、地元の高卒選手を獲得していない。前述の白浜裕太など、地元高校出身の高卒選手は獲得しているが、彼らは広島の出身ではなく他府県の出身のため該当しない。

1984年のドラフトで3位指名された石橋文雄が直近の地元高卒選手と言うことになるが、この指名が俗にいう「石橋事件」を招くことになり、カープが地元出身の高卒選手を敬遠するようになったとも言われている。

カープの捕手陣は将来性抜群

今期、カープで最も多くマスクをかぶったのが會澤捕手だ。

強打が自慢の捕手で、長らくカープの正捕手だった石原捕手から、今シーズン遂にスタメンの座を奪ったと言える活躍を見せた。まだ29歳と若く、しばらくは會澤捕手がマスクをかぶり続けることだろう。

カープには彼以外にも将来性豊かな捕手がおり、ルーキーの坂倉捕手はその筆頭と言える。

高卒1年目でありながら、その非凡な打撃センスでウエスタンリーグで.298という打率を残し、シーズン終盤には1軍の試合でもヒットを記録した。2軍では13盗塁を記録するなど、捕手でありながら足も速く、3拍子揃った逸材として将来を渇望されている。

また、船越捕手や磯村捕手などの若手も着々と力をつけており、若手捕手陣は飽和状態とも言えるほど人材が揃っているのだ。

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指名決定に至った理由

甲子園での活躍

2017年夏の甲子園での目覚ましい活躍は誰もが知るところだ。

昭和60年に清原和博さんが記録した5本塁打の大会記録を塗り替える6本塁打を放ち、ほかにも打点、塁打で大会新記録を更新した。久しぶりに登場した打てる捕手、そのインパクトにカープだけではなく、他球団も大いに注目する存在となった。

コンバートの可能性

捕手でありながら走・攻・守3拍子を兼ね備えている中村捕手。

カープには、同じく3拍子揃った坂倉捕手が在籍しているが、「中村と坂倉で捕手は15年は安泰」とのスカウト部長のコメントからも、現在の構想では共に捕手として育成していく方針のようだが、野手へのコンバートも視野に入れていることと推測できる。

前述の通り、2選手とも3拍子そろった選手なだけに、手薄な3塁手や、次代の外野手として育成することも十分可能な素材だ。そういった選択肢の多さも指名決定に至った要因と言える。

懸念は木製バットへの対応

甲子園大会での活躍は目覚ましいものがあったが、その後の世界大会では不振に陥りスタメンの外れるなど、木製バットへの対応には時間がかかるかもしれない。捕手というポジションは守備に重きを置かれるために、プロ入りしてからは練習時間の多くを守備に割くことになり、限られた時間の中で打撃力に磨きをかけることができるかがポイントとなりそうだ。

最後に

個人的に諦めていた中村捕手の指名。それが今、現実となりカープの一員になる可能性が出てきた。ここまで来ると、地元出身のスター候補生である彼を逃す手はない。

カープの正捕手、そして球界を代表する捕手へ成長することを心から願うばかりだ。